私はやっとこの歳で人に手をさしのべる事ができるようになりました。
それはずっと、ずっと昔から自分には欠けていたものでした。
どのくらい、私は家族に背を向け続けていたでしょう。
どのくらい、悩み続ける家族に協力せずに目を閉じていたでしょう。
全部、ただ見ていただけだったのです。何もしなかった。
貴方は「物事には時がある」といいました。
もしも、もっと私が自分以外の、周りに目を向けられる人間だったなら、
苦しんでいる人を少しでも早く助け出せることができたでしょうか。
少なくても、私の浅はかさな言動や行いをぶつけて傷つけることなんか無かったと思うのです。
あの時、手を尽くして頑張っていた父や姉。苦しくもがいていた母を私は今度こそ救いたいのです。
ただ呼吸するだけで精一杯だった。
先の見えない明日なんて、どうだって良かった。
希望なんて枠だけ無駄だと思ってた。
だから、崩れそうな人に、「大丈夫だよ」なんて嘘でも言うことはできないでいた。
だけど。
私は生きることが重荷じゃなくなりました。
なんのために生きてるのでしょう。少なくても私は、今まで何もしてこなかったその分を返すために生きようと思います。
底が尽きないほどの、少しばかりの余裕のある食物と、毎日の笑顔。
それ以外に何が必要なのでしょう。
私はずっと、望んでいました。
誰かを助けられる心を、そして力を。
今なら分かります。
少しでもやれば良かったのです。自分のできる範囲で、少しでも。
でも、それさえしなかったのです。
居心地の悪さを感じながらも、無関心を貫いていたのはどのくらい罪だったでしょう。
だから、今度こそ私に教えてくださったこの心を磨き上げます。
だからどうか、私を強くしてください。
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