見つけたのは少しのあいだ財布の中に眠っていたお守りだった。
「みちひらき」のお守りだ。しばらく前に買ったからそれが「はじめの1歩を促すお守り」だと自分で勘違いしてた。
だけど、そうだ。私はそれよりも道を開かれることを願ったんだ。前進む勇気は確かに重くて、踏み出せない。
でも私は、私なら1歩前にでることはできる。だけど、その後が続かないんだ。
そのことを私自身がよく分かっていた。
ならば、いつだって明るい道を開き歩き続けられるようにと思う。
思い出すと、このお守りは伊勢神宮からそのまま思い旅行かばんを担ぎながら猿田彦神社へと足を運んだ場所だ。
そこで絶対に買いたいと前もって考えたいから重くても歩いた。
だからこそ、苦労という重みがこのお守りにはある。
レシート整理の偶然に思い出したお守りは、手にとった瞬間にビシビシとエネルギーを感じた。無駄なものを捨て切った綺麗になった矢先の事だった。
忘れてしまったにも関わらず、こんなにも元気に力を放つものなんだ。むしろ前よりも力を感じるのは気のせいだろうか。
人生を頑張りだしたのはつい最近だ。このままじゃまずい、もっとまじめに。そして掃除もしないと。何冊かの本に出会い私は歩き出した。そして見つけた仕事とか前よりも忙しいはずなのに両立しつつある。いつも意味の無かった時間つぶしだけの遊びが減った。
そんな今、見つけたお守りがエネルギーを放っていた。
はじめの1歩。そしてその先へ続けられる精神力を私は欲しい。
サッカー選手の誰かが言っていた。停滞は後退だと。ならば、何か大きな事じゃなくてもきっと毎日が勝負なんだ。
毎日、1歩でも前に進むべきなんだ。
道はいつだって開かれている。それはいくつになってもだ。歳など関係ない。折角、私がドアを叩いて、先方が開けてくれたそのドアを自分で閉めてしまうことなんかしたくない。
歩き続けることはそれを極めることで、進めば進むほどに軽かったものは重くなっていくけれど、それを拒んでは前には進めない。どのくらい私はそんな怖さから逃げてしまっていたんだろう。それじゃいつまでも成長できない頼りないままじゃないか。だから自分に自身がないんだ。
消えないならば不安ごと抱えても私は前に進もうか。
大丈夫。視野は広く。そうすれば進まなければいけない道は見えてくるから。
一緒に支えようねと言った離れた場所の姉の声が力になる。
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